SAJ に伝わるATSAのオステオパシー教育の強み

イントロ

SAJ(スティル・アカデミィ・ジャパン)の教育は、提携校であるフランスの国家認定のオステオパシー学校のアンドリュー・テーラー・スティル・アカデミィ(ATSA)から伝えられる、この学校のATSAインターナショナルがSAJに教育を提供しています。今回はこのATSAから導入される教育の事を書いてみます。

フランスで現存する最も古いオステオパシー名門校

このフランスのATSAはフランスで現存するオステオパシー専門校で最も古い歴史を持ちます。その為学校の教育の経験値が高く洗礼化された教育が根付いています。
そしてオステオパシーを国に根付かせようと努力した多くのフランスのオステオパス(オステオパシー専門家)が、結集した学校の歴史を持ちます。また今日世界各国で注目される世界的なオステオパスを輩出してきた実績があります。
オステオパシー総合診断や神経マニピュレーションなどの著者であるアラン・クロワビエDOや、メカニカル・リンクの著者であるポール・ショフールDOなどもそうです。

筋骨格系・内臓系・頭蓋仙骨系の「3つの柱」の教育

筋骨格系・内臓系・頭蓋仙骨系の三つの系を学校教育として世界でおそらく最も早くに行ったのがATSAです。フランスでの他の国でも多くのオステオパシー学校の教育は、筋骨格系のオステオパシーに絞られる事がそれまで大半で、内臓オステオパシーや頭蓋オステオパシーは多くの場合、卒業後に卒後教育として学んだり、正規の学校教育以外に任意で、内臓系や頭蓋仙骨系のオステオパシーを学ぶ状態でした。
いわば旧来のオステオパシーの教育では、筋骨格系以外の内臓系や頭蓋仙骨系のオステオパシーの教育には、各個人のオステオパスにより理解や習得にムラがありました、そこを修正しバランスよくアカデミックに統合化した教育を進めたのがATSAの教育でした。

ATSAはこれまでの筋骨格系のみの教育ではオステオパシーの第1哲学に反すると考え、学校教育から筋骨格系・内臓系・頭蓋仙骨系を学ばせ、そしてこの3つの系を包括するクリニカの実践教育に盛り込みました。

オステオパシーは哲学原理の実践

オステオパシーとは、創始者ATスティル医師が洞察した健康の自然法則と、その法則に沿った不調に対する応用といえます。以下がその内容です。

 1 身体は1つのユニットである。
 2 身体は自己調節、自己治癒、健康維持能力をもつ。
 3 構造と機能は相互に関係し合っている。
 4 合理的な治療とは、身体は調和、自己調節、および構造と機能の相互関係の基礎的原理に基づいている。

「人間は1つのユニットである」と「構造と機能の相互関係」を実践に具現化する
ここでまず注目するのが、「人間は1つのユニットである」と「構造と機能の相互関係」の考えです。
オステオパシーは人間の身体を現代医学のアロパシー(対症療法)と異なり、各器官で細分化して診ません。
例えば筋骨格系(運動器系)と、消化器や呼吸器などの内臓系の構造と機能は結びついています。
オステオパシー以外の伝統的カイロプラクティックの手段は、筋骨格系の関節の脊椎機能症障害の施術に特化して発達しましたが、オステオパシーでは全身の関節機能障害にも、全身の筋・筋膜の機能障害にも対応します。筋膜機能障害に対応した筋膜リリースは、じつは、オステオパシーの膜・筋膜に対する手技につけられた言葉でもあります。

またオステオパシーは頭蓋仙骨系という、領域も深く研究し世界の手技療法では初めて頭蓋仙骨系へのアプローチを行いました。これは脳や脳神経や脳硬膜や脊髄硬膜や脳脊髄液の機能性を最適化し、頭部や顔面の特殊感覚器官の機能を最適化します。
この筋骨格系と内臓系と頭蓋仙骨系は、結びついた構造と機能で完全に細分化する事はできません。この様にオステオパシーは「身体は一つのユニットである」と言う事実を理解しています。そしてオステオパシーはこの考えに実践が伴う必要があります。御題目だけではダメなのです。

私たちのオステオパシーから見ると、さいぶんかされた世界の多くの手技療法はホリスティックではなく、身体の細分化された一部の領域にアプローチする手技療法に見えます。

 

筋骨格系から全身を診るのみの場合

旧来の筋骨格系のみのオステオパシーは、全身の筋骨格系の機能障害をオステオパシー手技で改善すれば、そのオステオパシー機能障害と関わる内臓系や神経系などの機能的不調も回復すると考えてました。
この場合、筋骨格系の機能障害が問題の中心で、そこから派生して内臓や神経系や特殊感覚器官に機能的問題が起こっている場合は適切な行為です。

筋骨格系・内臓系・頭蓋仙骨系を多角的に診るか
所が内臓機能障害が問題の中心となり筋骨格系の脊椎や骨盤に機能障害を起こした場合は、脊椎や骨盤にオステオパシーを行う事は原因に対して直接的ではなく、効果が低くなる可能性があります。
頭蓋仙骨系の機能障害が原因で、視覚のバランスや三半規管の情報にノイズがある場合は、頚椎やその他の脊椎などの姿勢のバランスが相殺し歪む事が起こり得ます、この場合は筋骨格系の脊椎関節機能障害は頭蓋仙骨機能障害の補正(コンペンゼーション)の可能性があります。この場合に施術が最も必要なのは頭蓋仙骨系のオステオパシーです。

フランスで3つの柱の教育が理想とされる

フランスの提携校のアンドリュー・テーラー・スティル・アカデミィ(ATSA)が、学校教育として基準に定めた「3つの柱」のオステオパシー教育は、フランスのオステオパシーの業界で高く評価され、この「3つの柱」の教育が他のフランスの学校でも推奨されました。

MRO.Fと国家認定

フランスでオステオパシーの資格が国歌認定される前に、フランスのオステオパシー教育機関がまとまり、フランスの教育基準にこのATSAから始まった「3つの柱」の教育を定めました。そしてこのオステオパシー教育をクリアーしたオステオパスが、メンバー・オブ・レジスタ・オブ・オステオパシー・フランス(MRO.F)に登録され、フランスのオステオパシー連合が認めたオステオパスとして承認しました。

そしてこの「3つの柱」の教育から、質の高いオステオパスを輩出し(MRO.F)は高く評価され、またフランスでオステオパシーの施術に置いて高い効果が民間に知れ渡り、組織化した高い基準を設けたためフランスの国がオステオパシーを国家認定とする流れになりました。

世界に広がるATSAの「3つの柱」

フランスの「3つの柱」の教育はその後、他のヨーロッパやロシアでオステオパシーの教育を導入しようとした先駆者の注目を得る事となります、そしてフランスの学校と提携し学校が設立する事や講義を依頼される事がよく起こりました。
特にATSAは、この「3つの柱」を学校教育として発展させた歴史が長く、この成熟した総合的教育の実績から様々な国のオステオパシー学校の設立や教育の普及に携わりました。
今現在も日本以外でも、チリ・ロシアにオステオパシーを教えたり、イタリアのオステオパシー学校とはパートナーシップを結んでいます。

SAJの教育の強み

日本でオステオパシーの専門家のオステオパスに成りたいとお考えの方は、是非SAJをお勧めします。現在オステオパシーの学校教育の主流と言える「三つの柱」の瀬熟した堅牢な教育はSAJで行われています。
プロフェッショナルになる為の、質の高い教育を求める方には最適な学校だと思います。
また長くなるので別な機会で詳細をお書きしますが、この筋骨格系・内臓系・頭蓋仙骨系を臨床で総合的に実践で行うオステオパシークリニカは、オステオパシーの実践方法の的確さを養う素晴らしい教育もSAJにはあります。ぜひ本場の教育を一緒に学びませんか、ぜひお待ちしています。